ピッチャーが球速を上げるのに必要な筋トレとは - 筋トレの嘘と本当~正しい筋肉の鍛え方~

ピッチャーが球速を上げるのに必要な筋トレとは





こんにちは、筋トレアカデミーの山本龍二です。

本日は、ピッチャーが球速を上げるのに必要な筋トレについて、
私が実際に指導した経験を元にお話したいと思います。

今から4年ほど前になるのですが、
知人から依頼され、ある社会人野球のチームで、
ピッチャーをされているTさん(当時29歳)に、
筋トレの指導をすることになったのです。

Tさんの目的は、とにかく球速を上げることであり、
具体的には、筋肉を鍛えることによって、
球速を125km/hから135km/hに上げたいということでした。

それから約半年間、週に1~2回お会いして、
直接筋トレを指導することになったのですが、
ピッチャーを直接指導するのは初めてだったので、
私自身事前に相当勉強しましたし、
実際にピッチャーを指導された経験のあるトレーナーの方にも、
指導方法に関していろいろ教わったりもしました。

そんな感じでのスタートではあったのですが、
実践した筋トレが予想以上に効果があったようで、
半年後には、最高速度が132km/hまで上げられたのです。

目標の135km/hまでは届かなかったのですが、
半年間で確実に球速を上げることができたわけで、
本人も私も手応えを感じることができましたし、
今後に向けた大きな自信につながりました。

では、実際にどのような筋トレを指導したかですが、
まず私は、球速を上げるにはどうすれば良いか、
ピッチャーの投球動作を徹底的に分析しました。

まず、投球動作の基本的な考え方として、
速い球が投げられるかどうかは、
腕が振り下ろされるスピードに比例していて、
つまり、腕が振り下ろされるスピードが速いほど、
投げられる球も速くなるということです。

これは、バッティングセンターのピッチングマシンを見れば、
その原理から簡単に理解することができます。
古いタイプのピッチングマシンの場合、
長いアームの部分がヒッチャーの腕の代わりをしていて、
アームが回転するように振り下ろされる際の力を利用して、
速い球を投げ込む仕組みになっているのです。

アームの動き自体は直線的で単純な動きでしかなく、
最初はゆっくり回りだして最後にビュンという感じですが、
アームの回転速度によって、球速を調整しているのです。

たとえば150km/hを選択すると、それだけ回転速度が速くなり、
100km/hを選択した場合には、150km/hの時に比べて、
アームの回転速度は遅くなるのです。

ヒッチングマシンには足が付いていませんので、
下半身の動きが伴うようなこともないわけですから、
単純に、アームの動きと回転速度のみが、
球の速さを決める要素になっているのです。

つまり、人間のピッチャーが行う投球動作においても、
単純に、腕を振り下ろすスピードが速くなれば、
投げられる球も速くなるということなのです。

もちろん、人間のピッチャーには足も付いていますし、
胸や背中など沢山の部位が備わっていますので、
ピッチングマシンのように単純ではありませんが、
最終的には、「いかに速く腕を振り下ろすことができるか」
ということが、最も重要になってくるのです。

ですから、ピッチャーにとって必要な筋トレとは、
要は、腕を速く振り下ろすための筋トレということであり、
全てがそこにつながるようになっていなくてはならないのです。

最近では、プロ野球のピッチャーが筋トレをするのは、
球速を上げる上で当たり前になってきていますが、
ただし、いくら上腕囲を太くしても、いくら肩幅を広くしても、
それが、腕を速く振り下ろすのに必要がなければ、
ピッチャーとしては役に立たない筋トレになってしまうのです。

実際、上腕囲が太い方が球速が上がるわけではないですし、
肩幅が広い方が投球に有利ということもないのです。
なぜなら、上腕囲や肩幅など、そういったことは、
腕を速く振り下ろすのに必要のないことだからです。
球速を上げるには、もっと他に鍛えるべき筋肉があるです。

では、ピッチャーが腕を速く振り下ろすには、
どこの筋肉をどのように鍛えればよいのかですが、
ポイントとなるのは、下記の2点です。
(1) 肩甲骨周辺の筋肉を鍛える
(2) 下半身の筋肉を鍛える

肩甲骨周辺には、後部三角筋や僧帽筋、前鋸筋など、
複数の筋肉が存在し、肩甲骨の回旋動作を司っているのですが、
ピッチャーが腕を速く振り下ろすためには、
肩甲骨周辺機構の可動域と筋力の拡大が必要であり、
そのためには、肩甲骨の筋肉そのもの、
および、肩甲骨周辺の筋肉を鍛える必要があるのです。

つまり、肩甲骨の回旋動作がスムーズになるほど、
腕の回旋動作もスムーズに行われるようになり、
腕を振り下ろすスピードも速くなるということです。

肩甲骨周辺の筋肉を鍛える種目としては、
(1)後部三角筋…リアレイズ(ダンベル/マシン)
(2)僧帽筋…シュラッグ(バーベル/ダンベル)
(3)前鋸筋…プルオーバー(バーベル/ダンベル)
などがあります。

もちろん、ベンチプレスやデッドリフトなど、
そういった主要種目と組み合わせて良いのですが、
ただし、組み合わせる際には上記種目を優先させ、
たとえば、
第1種目…ダンベルリアレイズ
第2種目…ダンベルプルオーバー
第3種目…ベンチプレス
というように、
肩甲骨周辺を鍛える種目を先に行うようにします。

上記種目における負荷のかけ方としては、
10~15回反復が可能な重量で、
2セットを目安に行うようにします。

次に、下半身の筋肉を鍛えることについてですが、
投球動作における第1段階は、下半身の動きになります。
下半身で作られたエネルギーが上半身へと伝達され、
肩→腕→肘→手首→指へと伝わって、
ボールに力が与えられスピードが出るのです。

たとえば、右投げのピッチャーなら、
ワインドアップしてから左脚を高く上げ、
その脚を大きく前方へ振り出すことによって、
重心を高い位置から低い位置へと移動させ、
前方への大きなエネルギーを生み出しているのです。

さらには、腕を振り下ろす際に、
後方にある右脚で地面を強く蹴ることによって、
前方へのエネルギーが更に加速されるのです。

このように、下半身は、投球動作の中で、
非常にダイナミックな動きをするわけですが、
そうした動きをスムーズに行うためには、
大腿四頭筋、ハムストリングを中心とした、
下半身の筋肉を鍛える必要があるのです。

下半身の筋肉を鍛える種目としては、
(1)大腿四頭筋…スクワット(バーベル/マシン)
(2)ハムストリング…レッグカールマシン
(3)下腿筋…カーフレイズマシン
などがあります。

特に、ピッチャーの専門トレーニングとして有効なのが、
レッグカールでハムストリングを事前疲労させた直後に、
シャドウピッチングを繰り返し行うという方法です。

投球動作に合わせてハムストリングを強化することで、
下半身が効率よく大きなエネルギーを生み出し、
上半身への伝達もスムーズに行えるようになるのです。

以上、腕を速く振り下ろすのに必要な筋トレについて、
いくつかポイントをお話しましたが、
つまり、ピッチャーが球速を上げるためには、
まずは第1段階として、
下半身で大きなエネルギーを生み出すことが重要であり、
次に第2段階として、
そのエネルギーを上半身へとスムーズに伝達し、
腕を速く振り下ろす動作につなげる必要があるということです。

これらの点を踏まえて、
実際にTさんが行ったメニューとしては、
(1)ダンベルリアレイズ 10~15回×2セット
(2)ダンベルシュラッグ 10~15回×2セット
(3)ダンベルプルオーバー 10~15回×2セット
(4)バーベルベンチプレス 10~15回×2セット
(5)ラットマシンプルダウン 10~15回×2セット
(6)バーベルスクワット 10~15回×2セット
(7)レッグカールマシン 10~15回×2セット
(8)デクラインランジ 10~15回×2セット
といったものでした。

実際にはウォームアップセットを行ったり、
最後に腹筋を行ったりもしていましたので、
終了するのに1時間近くかかっていましたが、
このメニューを週に2~3日の頻度で行って頂きました。

筋トレの日は、野球部の練習前に筋トレを行い、
筋トレの後に野球部の練習を行っていました。
そして、このメニューを半年間続けた結果、
球速を132km/hまで上げることができたのです。

今回は、ピッチャーが球速を上げるのに必要な筋トレ
ということでお話しましたが、
腕を速く振り下ろすという点においては、
バレーボールのスパイク、テニスのスマッシュ、
やり投げ等は類似動作であり、
使われる筋肉も類似していますので、
今回説明した考え方を応用することができます。

スポーツにおけるパフォーマンス向上のために、
筋トレに取り組むことは当たり前となっていますが、
目的に合わせた効果的な筋トレを行うためには、
種目の選択や組み合わせ方など、
深く筋トレを理解しておく必要があるのです。

たとえ筋肉が大きくなったとしても、
それが無意味な筋肥大であっては、
動作においては邪魔になるだけなのです。

ボディビルダーであればそれでも良いのですが、
スポーツにおけるパフォーマンス向上を目指すのであれば、
どこの筋肉を、どのように鍛えれば良いのかを学び、
実用的な筋肉を作り上げていくことが大切なのです。



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