こんにちは、筋トレアカデミーの山本龍二です。

本日は、薬物乱用で突然死した二人のボディビルダーについて、
その死因を詳しくお伝えすると伴に、
薬物乱用の危険性について改めてお話しておきたいと思います。

まず一人目のボディビルダーは、
1992年に突然死した「モハメッド・ベナジサ」です。
しかも彼は、コンテスト当日の朝、ホテルでの食事中に、
フォークを持ったまま突然動かなくなってしまったのです。

近くにいた人が心臓マッサージを試みたのですが、
胸板が分厚い筋肉に覆われていたため、
上手くマッサージすることが出来なかったそうです。
そして、ベナジサは死んでしまったのです。





ベナジサの死因は、利尿剤や興奮剤を多量に服用したため、
その副作用で心臓の筋肉が突然激しく痙攣し、
心臓マヒが起こったためだとされています。

ボディビルダーはバリバリに絞った体に仕上げるために、
コンテスト直前は、体内に溜まった水分を抜く目的で、
食事から塩分をカットしたりするのですが、
中には利尿剤を使って無理やり水抜きする人もいるのです。
利尿剤を使うと尿量が増え余分な水分が排出されるのです。

ベナジサもコンテスト直前は利尿剤を使っていたようですが、
特にこのときは、彼は徹底した水抜きをしていたようであり、
目撃情報によると、彼はスーパーで大量のリンゴを買い込み、
数日前から水分はすりおろしたリンゴのみから摂っていたそうです。

ですから、このとき既にベナジサの身体は、
水分が枯渇した危険な状態になっていたのです。
そういったカラカラの脱水状態にも関わらず、
皮下にまだ水分が薄らと溜まっていたのが気になったために、
彼はいつもよりも多く利尿剤を服用してしまったのです。

当然彼も副作用の危険性は認識していたと思いますが、
それ以上に完璧を求める気持ちの方が強かったのでしょう。
しかしその代償はあまりにも大きく、
心臓マヒによる突然死が起こってしまったのです。

私は当時、ベナジサのことはボディビル雑誌で知っていて、
彼独自のトレーニング法にも大変興味を持っていました。
彼の身長は低く160cmにも満たないのですが、
体重は90kgもあり、そのモコモコとした体つき、
筋肉がギュッと詰まった筋密度の高い体は衝撃的でした。

ベナジサのトレーニングは「軽重量×高回数」であり、
1セットにつき20~25レップも行うと知ったときには、
そんなやり方であんな体になれるのかと驚かされました。

彼は間違いなくボディビル界の小さな巨人であり、
生きていれば、世界チャンピオンになれたかもしれません。
当時、私にとってベナジサの死は本当にショックであり、
とにかく残念でなりませんでした。

さて、
二人目のボディビルダーは、
1996年に突然死した「アンドレアス・ムンツァー」です。
彼は体脂肪率が最も低いボディビルダーとして有名だったのですが、
コンテスト時の体脂肪率はおそらく3%以下であり、
生命を維持できるギリギリのレベルだったと思います。
皮膚の下の筋繊維が透けて見えるほどバリバリでした。





ムンツァーの死因は内臓出血だったそうですが、
利尿剤を含む20種類以上の薬物を服用していたとのことであり、
その副作用が原因で内臓出血を招いたようです。

彼は亡くなる前の数ヶ月間、腹痛が続いていたそうですが、
それほど気にも留めず放置していたようです。
しかし、それが命取りになる結果となってしまい、
病院を訪れたときには既に手遅れの状態であり、
内蔵出血を止めることはできなかったのです。

そして、病院を訪れてからわずか2日後に、
31歳という若さで亡くなってしまったのです。
あまりにも突然すぎる死だったのです。

上記動画で観客に対してポージングしているのが、
亡くなる数ヶ月前の映像のようですが、
彼がこの数ヵ月後に突然亡くなるなんて、
誰も想像できなかったと思います。

ムンツァーは1986年のミスターユニバースで優勝したのですが、
後から聞いたところによると、彼はこのとき、
試合後に義務づけられていた尿検査を、
尿が出ないからといって検査を拒みパスしていたそうです。

彼はこの大会で優勝してプロに転向したのですが、
おそらくアマチュア時代から既に、
禁止薬物を使用していたのだと思います。

ムンツァーの当時の肉体は極めて筋肉質で、
体脂肪がほとんどない厳しいコンディションであり、
それを年間を通じて維持していたのですから、
相当ストイックなトレーニングと食事が行われていたと思います。

だからこそ、なんで危険な薬物に手を出してしまったのか、
今考えても本当に残念でなりません。
あれだけの才能と素質を持っているのであれば、
薬物などに頼らなくても成功できたのにと思うのです。

ボディピルディングとは、本来、
筋肉を鍛えて丈夫で健康な体を作ることが目的なはずです。
しかし、海外のプロの世界においては、
勝つことが最優先とされており、健康云々は二の次なのです。

つまり、彼らにとってボディビルとはビジネスであり、
稼ぐための手段なのです。
だから勝つためには、危険な薬物も使用するのです。

また、海外のプロのボディビル大会においては、
薬物検査もそれほど厳しく行われていないのが現状です。
そこには主催者側のおもわくがあるのですが、
プロのボディビル大会は「ショー」であり、
大勢のお客さんを呼び込むためには、
怪物のような巨大なキン肉マンが必要なのです。
だから、薬物の使用を黙認しているのです。

しかし、ベナジサやムンツァー、その他にも、
薬物乱用が原因で死亡したボディビルダーがいることから、
ステロイドや利尿剤、興奮剤など、
重大な副作用の危険性がある薬物に関しては、
やはり、もっと厳しく取り締まるべきだと思います。

特に今回紹介したベナジサとムンツァーに関しては、
両者とも利尿剤の過剰使用が認められていることから、
利尿剤については、治療以外の目的で使用するのは、
副作用の危険性が高いため絶対に避けるべきなのです。

ダイエットに利尿剤を利用している人もいるようですが、
利尿剤によって尿量が増加し、確かに体内の水分は減りますが、
同時に血中のカリウムを低下させてしまうため、
低カリウム血症を引き起こして、筋肉の痙攣が起こったり、
致死的な不整脈につながることもあるのです。
ベナジサはまさにこのケースで死亡したのです。
手足の痙攣どころか心臓の筋肉が痙攣してしまったのです。

また、利尿剤は腎臓に直接働きかけるので、
腎機能障害を引き起こす危険性もあるのです。
ムンツァーは多臓器不全に陥っていたようですが、
腎臓や肝臓など、あらゆる臓器が動かなくなってしまったのです。

プロのボディビルダーで利尿剤を使用している人たちは、
そういった副作用のリスクを承知の上で、
全ては自己責任とした上で、使用しているのです。

彼らにとってボディビルはビジネスであり、
ビジネスにリスクは付きものですが、
彼らは自らの肉体そのものを危険に晒しているのです。

しかし、健康を目的として筋肉を鍛えている一般の人は、
わざわざ利尿剤のような危険薬物に手を出す必要はなく、
ナチュラルな状態で理想の肉体を追求していくべきなのです。
それが本来の「ボディビル道」なのです。

もし現在、利尿剤を自己判断で使用している方は、
低カリウム血症や腎機能障害など、
体に異常がないかどうか、医療機関での検診をお勧めします。
利尿剤の乱用は、命の危険に及ぶことがあります。
安易な考えで使用しないようくれぐれもご注意ください。

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