こんにちは、筋トレアカデミーの山本龍二です。

本日は、格闘家の筋肉とボディビルダーの筋肉の違いについて、
お話したいと思います。

一般的には、筋肉の大きさ、筋力はボディビルダーの方が優れており、
筋肉のスタミナや筋持久力に優れているのは格闘家の方である、
などと説明されている場合が多いようですが、
どうも納得できる説明にはなっていないようです。

と言いますのも、実際には格闘家の筋力も相当強いですし、
ベンチプレスで150kg以上挙げる人もゴロゴロいます。

その一方では、ボディビルダーの中には、
驚く程のスタミナや筋持久力を持っている人も多いのです。
バーベルスクワットやレッグプレスマシンで、
100レップ以上完遂できる人もゴロゴロいます。

また、筋肉の大きさを比べた場合でも、
格闘家の中にもデカい筋肉の人は多くいますし、
そのままちょっと減量すれば、直ぐにでも、
ボディビルコンテストに出れるような人が沢山います。

つまり、格闘家の筋肉とボディビルダーの筋肉を比べた場合、
全体として見たら、どちらの筋肉も、
筋肉自体の能力には大きな差はないのです。

格闘家でもボディビルダーでも、トップクラスの人たちは、
大きさ、筋力、スタミナ、筋持久力など、
総合的な能力を備えた筋肉を持っているのです。

ボディビルダーの筋肉は見せかけの筋肉で、
実際の筋力は格闘家よりも弱いとか、
今だにそういった誤解をしている人もいるようですが、
格闘家だろうとボディビルダーだろうと、
筋発達のメカニズムは同じであり、
全く別物の筋肉ということはないのです。

しかし、その上で、両者の違いを言うならば、
格闘家とボディビルダーには、
筋肉を使いこなす技術的な面で違いがあるのです。

筋肉自体の能力は同じでも、どう使いこなすかによって、
試合中の筋肉の動きに違いが出てくるのです。

車で言えば、筋肉はエンジンに当たります。
しかし、エンジンの大きさが同じ車であっても、
ドライバーの運転技術によって、
実際の走りには違いが生じるのです。

筋肉もこれと同じなのです。

たとえば、ボディビルダーは打撃の練習は必要ありませんが、
総合格闘技の選手などは、打撃の練習は必須となります。

ですから、打撃の技術は総合格闘技の選手の方が当然上であり、
仮に、筋肉の大きさ、筋力、筋持久力が同じだったとしても、
総合格闘技の選手の方が、打撃の威力は各段に上なのです。

打撃の威力を高めるには、筋肉の大きさや筋力も必要ですが、
強いパンチを打つための筋肉の使い方、
筋肉を使いこなす技術をマスターしなければならないのです。

いくら腕が太くても、胸板が厚くても、
それらの筋肉を上手く使いこなすことが出来なければ、
打撃の威力を高めることは出来ないのです。

総合格闘技の選手たちは、そのための技術を習得するために、
打撃の練習に長時間取り組むのです。

打撃にしてもキックにしても、あるいは相手と組んだり、
相手を投げ飛ばしたりする場合でも、
その要となるのが、「うねり動作」という技術です。

うねり動作とは、「全身を使った反動動作」なのですが、
たとえば、強いパンチを打つ場合であれば、
下半身から動作して、その発揮エネルギーを上体へと伝え、
そして上腕、前腕、拳へと伝えていく身体の使い方になります。

打撃系の格闘家が強いパンチを打つときは、
上体の力だけで打っているわけではないのです。
手打ちのようなパンチでは相手を倒すことは出来ないのです。

よく「腰をしっかり入れろ」などと言われますが、
これは腰(骨盤)を回す動作をしっかり行えということであり、
骨盤を回すことで、うねりのエネルギーを生み出し、
それをパンチに乗せて打つことで、
打撃の威力を増すことが出来るということです。

また、「うねり動作」をスムーズに行うためには、
各筋肉が上手く連動して働くことが必要であり、
各筋肉の連動性を高めることも大切になってくるのです。

ボディビルダーの主たる目的は筋肥大であり、
うねり動作を必要とするパフォーマンスは特に行いません。
ですから、格闘家のような技術練習は行いませんし、
うねりを起点とする筋力の発揮能力は、
格闘家の方が優れていると言えるのです。

ただし、ボディビルダーの筋肉自体が劣っているということではなく、
あくまでも、打撃やキックを打つ際の、
筋肉を使いこなす技術においては、
そのための練習を積んでいる格闘家の方が上だということです。

さて、格闘家の筋肉とボディビルダーの筋肉の違いについて、
筋肉を使いこなす技術面から説明してきましたが、
そもそも格闘家とボディビルダーでは、
筋肉を鍛える主たる目的が違いますし、
試合中のパフォーマンスも全く違うわけですから、
同じ土俵で比較することは難しいのです。

筋肉の大きさ、筋力はボディビルダーの方が上、
スタミナ、筋持久力は格闘家の方が上、
というような明確な線引きが出来るものではないのです。

要は、両者の筋肉自体に違いがあるわけではなく、
筋肉を使いこなす技術面での違いがあるということなのです。

こうした点をきちんと理解していれば、
「どっちの筋肉が強いのか?」とか、
「どっちの筋肉が本物なのか?」などの議論が、
いかに無意味なものであるか、お分かり頂けるかと思います。

格闘家の筋肉もボデイビルダーの筋肉も、
どちらも強いし、どちらも本物なのですから。

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