こんにちは、筋トレアカデミーの山本龍二です。

本日は、筋力トレーニングによる身体能力の向上について、
お話したいと思います。

身体能力とは、文部科学省が出している定義によれば、
スポーツにおける身体的資質の総称であり、
競技上のテクニックに依存しない基礎能力とされています。

つまり、身体能力とは、
筋力、瞬発力、跳躍力、持久力、俊敏性、柔軟性といった、
もともと体に備わっている能力のことです。

ですから、小学生であってもお年寄りの方であっても、
身体能力はもともと備わっているものであり、
人によってその能力に違いがあるということなのです。

これに対して、運動能力という言葉がありますが、
運動能力とは、身体を動かす上での技術的な能力を指します。


たとえば、誰でも走ることはできますが、
ただし、100mを10秒台で走るためには、
そのための技術(テクニック)が必要となってきますので、
誰にでもできるわけではありません。

つまり、
・走る能力=もともと体に備わっている身体能力
・100mを10秒台で走る能力=技術を要する運動能力
ということになるのです。

つまり、運動能力とは、
もともと体に備わっている身体能力を生かす能力のことであり、
高い身体能力がベースとしてあって、
その上で、高い運動能力が身に付けられるということです。

いくら身体能力が高くても、それだけで、
どんな種類の運動においても優れているというわけではありません。
体操選手でも水泳が苦手な人はいるでしょうし、
陸上選手でも野球か苦手な人もいるでしょう。

ですから、「身体能力が高い=運動能力が高い」ではないのです。
まずは、このことをきちんと理解しておくべきなのです。

その上で、運動能力を高めるためには、
高い身体能力がベースとなっているのですから、
スポーツ競技のパフォーマンスを向上させるには、
ベースとなる身体能力の向上が必要だということです。


身体能力向上筋トレ


さて、それでは、身体能力を向上させる方法についてですが、
まず、知っておいてほしいことが、
身体能力とは、筋肉がベースになっているということです。

つまり、身体能力とは、筋肉の能力のことなのです。
よく「使える筋肉」とか「実用的な筋肉」という言い方をしますが、
筋肉の能力が高ければ、それだけ身体能力も高くなるということです。

たとえば、見た目には大きくても、実際の筋力が弱く、
動きも鈍い筋肉であったら、能力の高い筋肉とは言えません。
スポーツ選手にとってそんな筋肉は邪魔になるだけです。

逆に、見た目に大きいだけでなく、実際の筋力も強く、
動きも速い筋肉であれば、能力の高い筋肉と言うことができ、
スポーツ選手にとって役立つ筋肉になるのです。

ですから、スポーツ選手が筋力トレーニングに励む際には、
こうした能力の高い筋肉を作ることが必要となるのです。
見た目に大きいだけでなく、筋力、瞬発力、パワー、スピードなど、
身体能力の向上に繋がる能力の高い筋肉を目指すということです。


身体能力の向上に繋がる筋肉


しかし、実際の筋力トレーニングの現場においては、
こうした考え方とは逆行する、身体能力を低下させてしまう、
間違った筋力トレーニングが横行しているのです。

では、実際の現場において、
どのような筋力トレーニングが行われているかと言いますと、
多くの人たちは、バーベルやダンベルを、
わざと重く困難に扱うような方法でトレーニングしているのです。

例えば、よく見かける筋力トレーニングの方法として、
反動を使わない厳格なストリクトフォームで、
使っている筋肉の動きを意識しながら、
ゆっくりと動作するという方法があります。

多くの人は、これは正しいトレーニング方法だと思うでしょうが、
実際には、筋肉の能力を退化させ、
身体能力を低下させるトレーニングになっているのです。

なぜなら、こうしたトレーニング方法というのは、
大きな筋力を発揮しずらいフォームで行われているため、
重いバーベルやダンベルを扱うことが難しいのです。

つまり、本来持っている筋力を最大限に使おうとするのではなく、
わざと筋力を発揮しずらくして、
動作を困難で苦しいものにしてしまっているのです。

本来もっと大きな筋力を発揮して、
もっと重いバーベルやダンベルを扱えるはずなのに、
わざと大きな筋力を発揮しずらいフォームで、
わざと動作を困難で苦しいものにして、
重いバーベルやダンベルを扱いにくくするトレーニング方法が、
筋肉の能力を高め、身体能力の向上に繋がるはずがありません。

筋肉の能力が高まるとは、全くその逆で、
今まで重くて動作が困難であった重量のバーベルやダンベルを、
今までよりも楽に軽く扱えるようになることなのです。

ですから、筋力トレーニングにおける正しいフォームとは、
本来持っている大きさの筋力を最大限に発揮して、
少しでも重い重量を扱えるようにするフォームなのです。

本来持っている大きさの筋力を最大限に発揮した上で、
今まで50kgのバーベルしか扱えなかったのが、
60kgのバーベルを扱えるようになったとしたら、
それは、筋肉の能力が高まったということであり、
身体能力が向上したということになるのです。

軽めの重量で、反動を付けずにゆっくり動かした方が、
筋肉に対して良く効くと感じている人が多いですが、
実は、それは大きな勘違いであり、
実際には、筋肉に対して効いているのではなく、
関節や腱で負荷を支えているからキツく感じるのであり、
筋肉に対して効果のないことなのです。

これでは、いくら筋力トレーニングをしても、
筋肉の能力は高まりませんし、
身体能力の向上にも繋がらないのです。

筋力、パワー、スピードといった身体能力を高めるには、
今まで重くて扱いにくかったバーベルやダンベルを、
より軽く楽に扱える方法を身に付ける必要があるのです。
そういうフォームでトレーニングしなければならないのです。

そうすることで、効率よく大きな筋力を発揮する能力が高まり、
身体能力を向上させることができるのです。
また、関節や腱への負担もなくなるため安全なのです。

もう一度確認しておきますが、
身体能力の向上に繋がる筋力トレーニングとは、
今まで重くて扱いにくかったバーベルやダンベルを、
今までよりも楽に軽く扱えるようにすることなのです。
そういう筋肉の能力を高めることなのです。

もちろん、筋力トレーニングをする上で、苦痛は付きものです。
しかし、筋力トレーニングにおいて、
より苦しむほど効果が高まるというのは、
本来持っている大きさの筋力を、
最大限に発揮するフォームで行っている場合の話です。

自分が本来持っている大きさの筋力を最大限に発揮した上で、
より重い重量に挑み苦しむ場合に言えることなのです。
そういう苦しさなら、身体能力の向上に繋がるのです。

しかし、わざと動作が困難になるフォームで、
わざと筋力を発揮しずらくして苦しむというのは、
筋肉の能力を抑制した上での苦しみであり、
身体能力の向上には繋がらないのです。

今まで重いと感じていたバーベルやダンベルを、
より軽く楽に扱える動作を身に付けることで、
より重い重量を安全に扱えるようにする、
その過程において生ずる肉体的、精神的苦痛こそが、
身体能力の向上に繋がる苦痛なのです。

以上、筋力トレーニングによる身体能力の向上について、
正しい考え方を説明してきましたが、
今回説明した考え方は、特にスポーツ競技の選手にとっては、
運動能力を向上させる上で非常に大切な考え方となってきます。

筋肉の能力を高めることが身体能力の向上に繋がり、
そして、高い身体能力を身に付けることで、
スポーツ競技における運動能力を高めることができるのです。

つまり、「筋肉の能力の向上→身体能力の向上→運動能力の向上」
ということであり、筋力トレーニングの役割とは、
その中の最もベースとなる「筋肉の能力」を向上させることなのです。

筋力トレーニングにおける本質的な目的とは、
単に大きいだけの筋肉を作り上げることではなく、
筋力、瞬発力、パワー、スピードといった、
筋肉の能力を高めることにあるということです。

そして、筋力トレーニングで作り上げた、
能力の高い筋肉がベースとなって、
身体能力の向上、運動能力の向上へと繋がっていくのです。


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